こんにちは。凸凹シングルマザーのaumです。
「卵が先か鶏が先か」
みなさん一度は耳にしたことがあると思います。
一般的には「どちらが原因として先にあるか分からない」という比喩的な意味で用いられます。
それでは、人間関係・ビジネスにおいてはどうでしょうか。
「GIVE and TAKE」という言葉がありますが、人間関係のストレスを軽減し、職場でもプライベートでもゆるりとラクに生きるためにはどちらが先か。
こちらは答えが決まっています。先に「GIVE(与える)」です。
ママさん、20年以上営業職やってるね
テクニックがあったこと知らなかったわ‥
<この記事で分かること>
返報性の原理(4分類)を知ることで、対人関係は良好になり、生きやすくなります。
ただし、使い方を間違えるとトラブルにもなります。
はじめに「返報性の原理」とは
返報性の原理とは、相手から何かを受け取ったときに「こちらも同じようにお返しをしないと申し訳ない」という気持ちになる心理効果のことです。
「返報性の原理」における4分類
返報性には種類があります。何を受け、何を返すかによって分けられます。
1.好意の返報性
2.敵意の返報性
3.譲歩の返報性
4.自己開示の返報性
1.好意の返報性
好意の返報性とは、相手から受けた好意を、好意で返したいと思う心理のことです。「恩返し」です。
例えば
・スーパーで試食させてもらったので、お返しに試食したソーセージを購入したいと思う
・デパートでメイクの相談にのってもらったので、お返しに化粧品を購入したいと思う
人から好かれるためには、自分が相手のことを好きになるという方法が効果的なのです。
2.敵意の返報性
敵意の返報性とは、自分に向けられた敵意を、相手にも返したくなる心理です。「仕返し」です。
例えば
・相手から悪口を言われると、同じように言い返したくなる
・相手に横柄な態度をとられると、同じような態度を取りたくなる
相手に対するネガティブな感情は、自分に跳ね返ってくるのです。
3.譲歩の返報性
譲歩の返報性とは、相手が譲ってくれた場合、自分も譲りたくなってしまう心理です。
例えば
・相手から「どうぞ」と席を譲られると、「いえいえあなたこそどうぞ」と譲り返したくなる
・友達から海外旅行に誘われて断ったあと、日帰り旅行に誘われると断れない
相手が譲ってくれれば譲ってくれるほど、自分も譲歩しなければ、と思ってしまうのです。
4.情報開示の返報性
自己開示の返報性とは、相手がオープンに自分のことを話してくれると、自分も同じように話しやすくなる心理です。
例えば
・友人が自分の秘密を話してくれると、自分も秘密を話しやすくなる
・相手がダメなところを見せてくれると、自分もダメなところを見せやすくなる
自分の考えをオープンに伝えることで、周囲との距離は縮まります。
「返報性の原理」体験談
20年以上営業職で働いています。お客様は個人だったり、企業だったり、今は自治体向けにサービスを提案しています。
振り返れば「あの時私の言動に対する相手の反応は返報性の原理に基づいていたものなんだ」と気づくことがあります。
1.好意の返報性 手紙を送ったら貰えたもの
30代前半、まだまだ営業職でプレイヤーとして勢いがあった頃、自分の「好き・得意」をなんとか仕事に活かせないかと考えて始めたことがあります。
「名刺交換した相手に直筆の手紙を送る」
相手はハウスメーカーの営業マン、市役所の職員、同業他社の社長、セミナーの講師、クラブのママなど。100人以上に送りました。
その中で、記憶に残っている「好意の返報性」は3名。
➀直筆の手紙を送ったら、おススメの書籍が送られてきた
丸一日の外部研修に参加しました。その日の夜、講師の先生に「研修で自分が学んだこと・これから何をしていくか」を具体的に記した手紙を送付したところ、数日後に書籍が送られてきました。
「これから頑張って欲しい人に読んでもらいたい本」で、そういう人に出会った時に送っているようです。
②直筆の手紙を送ったら、サイン入りの書籍が送られてきた
200人以上が参加しているようなセミナーを受講しました。セミナーが終わった後、名刺交換のために挨拶する人なんてほとんどいません。立派な先生なので恐れ多くて。
ただ、手紙を書きたくて名刺交換している時期ですから、臆せずに突き進みます。
いつも通りの手紙を送付したところ、その先生のサイン入り書籍が送られてきました。さらに、SNSでは「こんな手紙もらったことありません!」と笑顔で手紙を掲げた写真をUPしてくださいました。
➂直筆の手紙を送ったら、高価なハンカチが送られてきた
会社の社長に連れられて、社長行きつけのクラブにお供しました。普段スーツ姿でパシッとしている社長が、ママと抱き合っている姿は衝撃的でした。まだ20代だった私はその時に多くのことを感じました。
「男性はここに来てママとハグすることで仕事や家庭でのストレスを解消し、明日への活力にに繋げているんだな」と。
そんな感情を手紙に書いてママに送付したところ、高価なレースのハンカチが送られてきました。後に社長から聞いた話ですが「あの子をうちのお店で働かせないか」とお誘いがあったようです。
人から好かれるためには、自分が相手のことを好きになるという方法が効果的なのです。
2.敵意の返報性 失礼な態度を取った代償
親子で楽しく始めた習い事がありましたが、当時クラブの代表を務めていた60代の女性との関係性が悪くなりました。
今思えば、20歳以上年下の私が生意気だったのです。
周りの仲間は「あなたが悪いわけじゃない、代表の言い方や、人への頼み方に配慮がないから仕方ない」と言ってくれましたが、年長者を敬うという気持ちが当時の私には足りていませんでした。
好意の返報性で力になってくれた「直筆の手紙」は、ここで敵意の返報性に変わってしまいます。
関係性が悪くなり、どうにもいかなくなったある日、代表から直筆の手紙が送られてきました。
そこには「あなたは自分1人でなんでもできるからと、人を見下している」と言ったような内容が書かれていました。とても達筆な字で。
メールやLINE、パソコンで打った文字の手紙ならダメージはそこまでなかったのかもしれません。直筆の手紙は良くも悪くも相手に大きな影響を与えるものですね。
相手に対するネガティブな感情は、自分に跳ね返ってくるのです。
最後に
返報性の原理をうまく活かすためには、まず自分から先に好意を示すことが重要です。
他人が善意を示してくれる前に、自発的に行動することで、返礼のサイクルが始まります。
先にも述べた「GIVE and TAKE」はどちらが先か。答えは「GIVE(与える)」です。
返報性の原理は、人々の相互関係を強化し、協力や信頼を生み出す力を持っています。
ビジネスや恋愛にも使えそうだね
テクニックだけに走るのはやめてね、下心はすぐにバレるから
最後に、
返報性の原理を若い時に知っていれば、ビジネスや恋愛で大成功したのでは!?と一瞬思いました。
ただ、無意識に「GIVEが先の方がいいに決まってる!」という気持ちで目の前の人と接し、そこから生まれる良好な関係性はテクニックに頼っていない分だけ透き通っているように感じます。45歳の今でもそう思います。